レースのために、自分のために。彼女たちは、どんな「オフ」を過ごすのか。ツヨカワなワタシのオフ 山田理央選手

インタビューの様子をダイジェスト動画でご紹介。ぜひ、ご覧ください!

オフは自分を見つめ直す時間

4~6日間のシリーズ(宿舎生活)のあとにオフとなるボートレーサーという仕事には慣れましたか?

慣れるまでに時間がかかりましたが、だんだんリズムが掴めてきました。今は、この生活が当たり前のようになっていて、オフは自分を見つめ直す時間にできている気がします。トレーニングや整体に行くなどして体のケアも大切にしています。

トレーニングや整体をしているときの写真

アウトドア派だとも耳にしました。

実際はそうでもないかもしれません。旅行などに出かけるときもありますが、家の中で過ごすこともけっこう多いです。師匠の平高奈菜さんに勧められて韓ドラもよく観るようになりました。

平高選手とはグランピング(設備やサービスが整った施設で、手軽にキャンプを楽しめるレジャー)に行ったこともあるようですね。

二度行って、どちらもすごく楽しかったです。プライベートを一緒に過ごすことはあまりなかった頃に誘っていただいて、緊張しないでフランクに話ができたことで距離を縮められた気がします。

グランピングなど平高選手と遊んでいるときの写真

旅行は楽しい! サウナでは心が整う

アウトドアでいえば、スノーボートも始めたと聞きました。

同期の西岡顕心くんが以前からやっていたらしくて、やはり同期の寺田空詩ちゃんと一緒に始めました。滑れるようになるまでにはすごく苦戦して……私は自分で運動神経はいいほうだと思っていたのに、意外とそうでもないことに気がつきました(笑)。ただ、体の使い方などはボートに通じるところもある気がします。まだ2回しか行けていないのですが、機会があればまた行きたいですね。

ゴルフも始めたようですね。

私は本当になんでもかじっていくタイプなんです。先輩の西村美智子さんと松尾夏海さんに誘ってもらってコースに出ましたが、ゴルフは先輩たちとコミュニケーションをとりやすくていいですね。スコアは言いたくないレベルです(笑)。

スノーボードやゴルフをしているときの写真

旅行はどうですか? 思い出深い旅行はありますか。

同期の刑部亜里紗さんや空詩ちゃんと行った韓国は楽しかったですね。いろんなものをいっぱい食べました。食べることがいちばんの幸せなんです。タッカンマリ(鳥の鍋料理)とかがめっちゃ美味しかったですね。韓国ではお肌のメンテも受けてみて、「みんなちょっとキレイになったんじゃない」とか言い合いました(笑)。プライベートのことも含めていろんな話ができて、すごくリフレッシュできました。

韓国で食べたタッカンマリについて、身振り手振りで話してくれる山田選手

ひとり旅はどうですか?

これまで経験はないんですけど、すごく魅力を感じますね。ひとりで温泉巡りなんかをしてみたいです。自然が好きなので、落ち着けるところに行きたいですね。

ほかに今後やってみたいことはありますか?

グランピングで、サウナに入ってから川で体を冷やせるようなところがありますよね。そういう施設に行ってみたいです。旅先でも宿舎でもサウナにはよく入りますが、リラックスできて心が整う気がします。冷たすぎる水風呂は苦手なんですけどね。

レース場に行くための荷造りを始めるあたりからスイッチが入る

オフにもトレーニングをされているとのことでしたが、レース場に練習に行くことはありますか?

行けるときにはなるべく行くようにしていますし、練習は好きです。できるだけボートに乗って、いろいろな方向からプロペラのことを考えるようにするのは大切だと思っています。

オフに気をつけていることはありますか?

やっぱり食事ですね。体が資本なので、偏ったメニューにならないようにして、体重が増えないように気をつけています。韓国に行ったときなどは、そういうことは忘れていっぱい食べましたが、次のレースまでには調整します。私は46キロから47キロくらいでレースをすることが多いので、オフにも47キロ前後でいられるように心がけてます。48キロとかになると怖くなってきますから。

オンとオフの切り替えはどうですか?

レース場に行くための荷造りを始めるあたりからソワソワしてきます。そこでスイッチが入りかけるのかもしれません。レースのことなどをメモしたノートを見返したりして、感覚を取り戻していきます。

最後に今後の目標を聞かせてもらえますか。

ズバッと目標を言えるタイプではないのですが、まず安定した成績を残せるようになりたいです。将来的には平高さんのようにSGに出場したり、スピードクイーンメモリアルのような大きな大会で優勝できるようになりたいですね。憧れの大会はレディースチャンピオンです。勝率により出場レーサーが決まるということでも価値があるし、すごいレーサーが集まるなかで優勝できたらカッコいいなと思いますから。

力強く、今後の目標について語ってくれた

オフは充電期間というより「発散とリフレッシュの意味合いが強い気がします」と山田選手は話す。シリーズに入れば緊張することも多く、規律のある宿舎生活を過ごすことになるからなのだろう。それでもオフには、ただ発散するだけでなく、心と体のケアを考えるようにしているのだから、さすがはアスリートだ。

(この記事は2025年9月に作成されたものです)

山田 理央(やまだ・りお 2000年6月10日生)

登録番号5218 身長153cm 129期 愛媛県出身 香川支部所属
小中学生時代は野球部、高校生時代はハンドボール部に所属。2021年11月にボートレーサーとしてデビュー。翌22年8月に初1着。今年2月には四国地区選手権(丸亀)でGⅠ初出場、5月にはレディースオールスター(常滑)にも初出場を果たした。