レースのために、自分のために。彼女たちは、どんな「オフ」を過ごすのか。ツヨカワなワタシのオフ 野田彩加選手

プライベートは、同期や同郷の友人と。

野田選手は中学校を卒業してすぐボートレーサー養成所に入りました。小中学校の友達とは別の道に進むことになったわけですが、オフには当時の友達にも会ったりしますか? 同期や先輩・後輩レーサーと会うほうが多いのでしょうか?

両方ですね。養成所同期の女子で集まったりすることもあるし、以前からの友達との付き合いも続いています。6人くらいの仲がいいグループがあって、夏休みとかみんなが休みの時は、わたしのオフに合わせて予定を組んでくれました。最近だと広島で集まって、サプライズでわたしの誕生日も祝ってくれましたね。

広島旅行の時の写真

昔からの友達と関係が続いているのはいいですね。

はい! 養成所の試験を受ける前からボートレーサーになりたいということは話していたので、その頃から応援してくれていたんです。養成所ではスマホが禁止されているので、入ってからは手紙などでやり取りは続けていました。高校の話とかが出ると、うらやましい気はしましたが、ボートレーサーになる!という気持ちは揺らぎませんでしたね。

では、同期で集まるときは何をしますか?

いろいろですが、グランピングに行ったことが1番の思い出ですかね。そのときは女子に限らず予定が合う同期で集まりました。同期はすごく仲がいいんです。わたしがいちばん年下なので、みんなが妹感覚で接してくれている感じですね。特に福山恵里奈さんは、ほんとに優しすぎます!(笑)

仲間や先輩のことを話すと笑みが溢れる

コロナ禍のデビュー当時は、自由があまりなかった

野田選手は新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が出された2020年のデビューです。外出もままならなかった時期ですから、この頃は息苦しい部分もあったのではないかと思います。

デビュー当時はレースも無観客だったので、レーサーになった感じがあまりしなかったですね。オフはレース場へ練習に行くこともできず、遊びにも行けませんでした。自由があまりなかった感じでしたね。

その頃のオフはどのように過ごしてたんですか?

レーサーになってわりとすぐコスメやファッションに興味を持つようになりました。中学までは空手一本でやっていて、お洒落にはまったく縁がなかったんです。でもこの世界に入ると、先輩たちはみんなキレイで、お洒落なものを身につけていたりしたので、「いいな」と思って。そこからハマっていったんです。だから、あまり外出できなかった頃は、コスメの最新情報などをひたすら探していました(笑)。今もそうなんですが、新しいものが発売されたり、誰かに勧められたりすると、すぐにそっちに行っちゃうタイプなんです。

空手をしていた頃の野田選手

しばらくするとレース場で練習ができるようになり、外出もできるようになりました。

そうですね。今も練習にはよく行ってます。ボートレース徳山に行くことが多いのですが、新幹線を使わないと電車で往復4時間くらいかかります。でも、自分にはノビシロしかないと思っているので、練習に行けるときにはできるだけ行きたいですね。

自動車の免許を取られたとも聞きました。

免許は18歳で取ったんですけど、まだ車は買っていません。車の運転は得意じゃないので、助手席のほうがいいですね(笑)。でも、いつかは車を買いたい。車は好きだし、大きい車がいいですね。

野田選手は、どちらかというとアウトドア派ですか?

はい、アウトドア派です。同期とは、グランピングだけでなく、普通のキャンプにも行ったことがありますが、めっちゃ楽しかった! でもイチから自分で道具を揃えるまではハマっていないので、一式持っている人に便乗したいタイプです(笑)。

同期で訪れたグランピングの時の写真

オンとオフはしっかり分けるのが好き!

自分でストレスは溜まりやすいほうだと思いますか?また、ストレス解消法はありますか?

あまり溜まらないほうだと思いますが、減量のために食事制限をしているときはつらいですね。わたしはレーサーの中では背が高く、筋肉もあるので、食べたらすぐに太ってしまう。休みの日でも好きなものを好きなだけ食べることはできないですね。ストレス解消法ですか? お風呂に入ることですかね。お風呂は好きで、温泉にもよく行きます。山口県はいい温泉が多いし、一の俣温泉なんかはおすすめです。お湯がすごくいいし、景色も良くてホタルも有名です。

オンとオフはしっかり分けたいタイプですか?

そうですね。休み中、練習に行けるときはなるべく行きますが、練習に行かないときは、あまりボートのことは考えないようにして買い物や旅行に出かけたりします。旅行は好きで、国内なら結構いろんなところに行きました。沖縄の海がキレイなことには感動しましたね! 潜ったりするのはあまり好きじゃないですけど、ウミガメと一緒に泳いだり、時間を忘れて過ごせました。海外はこれまで韓国にしか行ってないので、もっといろんなところに行きたいですね。透きとおった海の上にコテージがあるモルディブには憧れます。すごく海が好きというわけではないんですけど、一生の内に絶対行きたいですね(笑)。

終始明るく取材に応じてくれた野田選手

「レースでは一走一走を大事にして、道中で魅せられるようになりたいです」と話す野田選手。ボートレースとは関係なく“どういう人間になりたいか”を聞くと、悩みながらも「美しい女性でありたいですね(笑)」と答えてくれた。オンもオフも、強く美しく! 野田選手はそういうボートレーサーになってくれそうだ。

インタビューの様子をダイジェスト動画でご紹介。ぜひ、ご覧ください!

野田 彩加(のだ・あやか 2003年4月30日生)

登録番号5146 身長165cm 126期 山口県出身 山口支部所属
5歳から始めていた新極真空手ではアジア大会で優勝。中学卒業後、ボートレーサー養成所に入り、2020年5月に15歳でデビューを果たした。師匠である向井美鈴選手の勧めもあり、同期よりも長くアウトコース(4~6コース)からのレースを続けており、インコースからもレースに挑み始めた今後の成長は楽しみだ。