勝負の前のゲン担ぎや、勝負の後のご褒美に。「ここぞ」のための食事がある! ワタシの必勝グルメ 川井萌選手

スープを飲み干したらもらえる「まくり証明書」をお守りにしています

川井選手の必勝グルメは「家系ラーメン」と聞きました。

はい、家系ラーメンは胃にガッツリくるので、食べると元気とやる気が出ます! なので、レース前とレース終わりには、必ず食べに行っていますね。

川井選手行きつけの家系ラーメン。

家系ラーメンが好きになったきっかけはありますか?

高校生の頃、好きなYouTuberが1年間、家系ラーメンを食べ続ける企画をやっていて、それを見て自分も行ってみようかなって思ったんです。一度食べたら、めちゃめちゃハマっちゃいました(笑)。

トッピングや味の濃さ、麺の固さには何かこだわりなどがあるのでしょうか。

特に何もしません(笑)。味を濃くしたり量を多くしたりすると胃がもたないので、普通でちょうどいいと思います。スープを全部飲んだら「まくり証明書」をもらえるお店もあるのですが、わたしはスープも全部は飲めません。一度だけまくり証明書が欲しくて頑張って飲んだのですが、胃もたれしちゃって……。そのときもらった証明書は記念に財布の中に入れています。レースでもまくりで勝てるようにお守りにしているんです!

川井選手がお守り代わりにいつも財布に入れている「まくり証明書」

レース前には、胃を幸せにしておきたい

家系ラーメンはボリュームがあるイメージですが、体重はあまり気になりませんか?

わたしはむしろ増量したい側なので、レーサーになった当初は無理して食べる量を増やしていたくらいでした。オレンジベスト(重量調整用の重りを付けた着衣)の重りが増えると動きづらいので、ベストを着ないか、ちょっとだけ重りが入ったベストを着るのがいいですね(体重が軽いほうが有利とされるボートレースでは、男子52キロ、女子47キロという最低体重制限があり、それより軽い場合は、おもりで調整するオレンジベストを着ることになる。減量するボートレーサーは多いが、増量を考える女子レーサーも少なくない)。オフのあいだは意外と食べないので、レースが近づくと積極的に食べたりもします。宿舎のご飯も美味しくて好きなのですが、宿舎では家系ラーメンやポテトなどはなかなか食べられないので、オフ期間に好きなものを食べて、胃を幸せにしておきます(笑)。

家系ラーメンについて笑顔で話す川井選手。

ポテトもお好きなのですね。

はい!あと、ハンバーグも好きで、月に一回必ず行くハンバーグ屋さんもあります。静岡県民に愛される有名店なのですが、脂がたっぷりで、肉汁がすごいんですよ。食べた感があるので大好きです。

こってり系が好きなようですね(笑)。食事は栄養のバランスに気をつかったりはしますか?

宿舎に入ると、なるべく野菜を摂るようにしています。先輩の中には栄養バランスや体にいい食べ方とかにすごく詳しい方もいるので、わたしも参考にしたい気持ちはあるのですが、どちらかといえば体に悪そうな食べものが好きなので、あまり実践はできていないです(笑)。でも、今のような食生活を続けたら体を壊しちゃうと思うので。これから少しずつ変えていき、自炊も増やすようにしたいですね。とにかく、今はストレスを生まないために、食事はあまり我慢しないようにしています。

外食時にも健康に気を使ったメニューを選ぶようにしているという。

好きなものを食べたら元気が出ます

ボートレーサー養成所に合格したあと、高校を中退してこの道に進んだと聞いています。それくらいボートレースには惹かれるものがありましたか?

はい、父にレース場に連れていってもらったとき、音や水しぶきの迫力が「すごい!」と思って、その瞬間、ボートレーサーになりたいと思いました。高校を辞めることに抵抗がなかったといえば嘘になりますが、この道しかないと決めていたので迷いはしませんでした。今はボートレーサーになって本当によかったと思っています。

ボートレーサーになることを決めた頃の川井選手。

GⅡレディースオールスターにも連続出場できていますね。

1回目のときは全然活躍できなかったのですが、そこから1年頑張って、ファンの皆さんにもう一度選んでもらったので、成長した姿を見せたいなって思っていました。2度目もそんなにいい成績は残せなかったのですが、後半は少し良い成績が取れたので、少しは成長したところを見せられたかもしれません。

レーサーとしての目標はありますか?

わたしが初めてボートレースを見て、感動したように、わたしのレースでお客さんにも感動を与えるレースがたくさんできるようになりたいですね。そのために日々努力をしていきたいと思っています。

理想のレーサー像に近付くために日々の努力は怠らない、と語る川井選手。

……「好きなものを食べたら元気が出ます」、「美味しいものを食べるのは人生の楽しみ」と言う川井選手なのだから、今は食事について深く考えすぎなくてもいいのかもしれない。パワーをもらえる家系ラーメンは、レースにおける“まくりの素”にもなっていそうだ。

インタビューの様子をダイジェスト動画でご紹介。ぜひ、ご覧ください!

川井 萌(かわい・もえ 2002年1月8日生)

登録番号5174 身長153cm 127期 静岡県出身 静岡支部所属
2020年11月のデビュー。2021年5月、ボートのレースまるがめで初1着。2022年2月にはレディースオールスターに初出場して、5日目にまくりで1勝を挙げた。翌23年の大会では4日目の抜きと5日目のまくりで2勝した。