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お嬢様学校に通っていた富樫選手が、ボートレーサーになろうと思ったきっかけは何ワン?
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大学時代、私は「ボートレース」の存在すら知りませんでした。でも、ある日、母と家の近所を歩いていたら「ボートレース多摩川」から、モーター音が漏れ聞こえてきたんです。
東京都府中市にある「ボートレース多摩川」。防風林に囲まれているため波が立ちにくく、「日本一の静水面」と言われている
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自宅の近くにボートレース場があったワンね。
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「この音は、なんだろう?」と興味を持って、実際にボートレース場で生のレースを見たら、偶然、男女混合戦だったんですね。目の前で、性別関係なく、本気でぶつかり合う姿に「むちゃくちゃカッコいい!」と思ったのが、きっかけです。
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生で見るボートレースは、迫力満点ですよね。
水しぶきにモーター音、生のボートレースは想像以上の迫力がある
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もう、衝撃的でした! 私はそれまでずっと、“なんとなく”生きてたんです。大学に進学したのもそうです。でも、ボートレースを見た瞬間、生まれて初めて「やりたいこと」に出会うことができたんです。
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まさに、ビビビと来たわけですね。その日から、ボートレーサーを目指すようになったんですか?
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はい!
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ボートレーサーになる方は、運動神経がいいイメージです。富樫選手も、何かスポーツをやっていたんですか?
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高校時代はバレー部だったんですけど、強豪校とかではなかったですし、誇れるような経歴はないんです。本当に「やりたい!」という気持ちだけで、ボートレーサーになったようなところがあります(苦笑)。
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自分を信じて努力して、夢を叶えたわけですね。とっても素敵です!
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家族は、富樫選手の「夢」を聞いてびっくりしたんじゃないかワン?
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そうですね。入学して1ヶ月くらいで「大学を辞めてボートレーサーになりたい」と父に言ったら、「入学金も払ったばっかりだぞ。ちょっと待て」と言われました(笑)。
大学時代の富樫選手
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でも、私は本気だったので、その場で大ゲンカになりました(苦笑)。
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お父さんが心配する気持ちもわかるワン。
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最終的に「大学を卒業してからならいいよ」という話になったので、大学4年間、ボートレーサーになるための勉強やトレーニングをずっとしていました。
大学の卒業式での富樫選手
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1日も早く試験を受けたいのに、4年も我慢してたんですね。
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もう、ずっとウズウズしてましたね(笑)。
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それだけ我慢できたのは、本気だった証ワンよね。
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はい。父も「卒業」を条件にしたのは、一時の感情だと思ったところもあったようです。
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そりゃ、そうワン。
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でも、私の意志が変わらないので、あとから「就職が決まってからでないと、試験を受けては駄目だ」と、条件が追加になったんです。
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えー!
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しかも「有名な大企業からの内定」が条件だったんです。
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それもクリアしたわけですか?
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しました! その後、ボートレーサー養成所の試験に、一発で合格しました。
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すごいワン……。内定していた企業の人もきっと、びっくりしたワンね。
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そうですね。入社したいと言って試験を受けたわけですから、驚かれたでしょうし、私も本当に心苦しかったです。でも、内定辞退を伝えるために会社を訪れたところ、「がんばってね。応援してるよ」と笑顔で送り出してくれました。あの日のことは、いまでも忘れられないです。
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素敵な会社ですね。
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じゃあ、もしも養成所の試験に落ちていたら、「OL富樫麗加」という人生もあったワンね。
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うーん、どうでしょう。諦めきれずに、やっぱりボートレーサーを目指し続けた気がします。
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本当に、ボートレースが好きなんですね。
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はい、大好きです。
真剣な表情を見せる、ボートレース場での富樫選手
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ちなみに、休みの日は何してるワン?
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カフェでコーヒーを飲みながら、ぼーっとしてますね。あとは勉強とかですかね。食品衛生責任者の資格も、ボートレーサーになってから取得したんです。
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あー、いつか生で見てみたいワン!
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はい。街で見つけたら、気軽に声をかけてください!(笑)
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最後に。今回のイヌタビューを読んでいる方に、メッセージをお願いしますワン!
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私の周りの友人も、ボートレースをまったく知らず、生で見たらハマった、という人がたくさんいます!それくらい迫力がありますし、ぜひ一度、見てみてほしいなと思います!
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わかります!映像と生では、全然違いますよね!
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あと、ボートレーサーという職業に興味を持った方、ぜひチャレンジしてみてください。髪の色もネイルも自由です。私はなりたい気持ちを持ち続けて、ボートレーサーになりました。
キラキラのネイルを見せる富樫選手
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うーん、そうですね。とにかく、ボートレースは見ているだけでもすごく楽しいので、ぜひ一度、ボートレース場を訪れてください。そして、応援してもらえたらうれしいです。がんばります!
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私も応援します! 本日はありがとうございました!
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サンキューワン!
取材後に、びす太がおねだりした、髪をかき上げるポーズに照れながら応える富樫選手